手軽に栄養を補給できるものとして、サプリメントはとても便利です。
健康食品の中でもサプリメントの消費量は年々増加傾向で、約6割の人が利用していると言われています。
しかし、種類や目的が様々であるため、正しい選び方が分からないという人が多いです。
今記事では、サプリメントの基本情報から解説して、正しいサプリメントの選び方について説明していきます。
目次
サプリメントとは?定義や種類を解説
サプリメントは、手軽に栄養素を摂れて簡単に健康になれるイメージがありますが、本来の目的について盲点となっている場合があります。
まずは、サプリメントの基本情報と種類について見ていきましょう。
サプリメントの基本情報
サプリメントとは健康の増進・維持のために摂る健康食品に分類されるものです。
日常の食生活で、不足している栄養素を補うためのものであり、風邪や病気を治すものではありません。
サプリメントには、ビタミン・ミネラル・アミノ酸・など健康に役立つ成分を濃縮して、錠剤やカプセル・ドリンクにしたものがあります。
サプリメントの種類
サプリメントは、各社メーカーによって様々なタイプが販売されていますが、役割や目的によって期待できる効果が異なります。
そして、サプリメントには大きく分けて3種類に分類されます。
ベースサプリメント
ビタミン・ミネラル・アミノ酸・食物繊維・DHAなど、体に必要な栄養素を含んだサプリメントのことです。
食事で不足している栄養素を、補完する目的のサプリで「基礎サプリメント」とも呼ばれます。
ビタミンやミネラルの栄養素を単体で販売されている物や、マルチビタミンのように全てを含んでいる形で販売されているものがあります。
ヘルスサプリメント
健康を維持していることを前提に、美容目的やより健康的に過ごすために摂取するサプリメントのことです。
乳酸菌・ローヤルゼリー・プロポリス・セサミン・カテキンがあります。
乳酸菌はヨーグルトで摂るよりも、ヘルスサプリメント1粒で効率よく摂取できるメリットがあります。
オプショナルサプリメント
体の調子を整えたり、回復するために摂取するサプリメントのことです。
主にイソフラボン・ブルーベリー・ウコン・グルコサミン・ハーブなどがあり、医薬品に近い作用があるものも配合されています。
そのため、服用している薬がある場合は、飲み合わせに注意が必要です。
サプリメントを選ぶときのポイント
サプリメントを購入する際に、自分自身の体の状態を把握したうえで、本当に必要なサプリメントか考える必要があります。
しかし、サプリメントの情報はテレビやインターネットなど、情報が錯綜していて判断に迷うことがあります。
続いては、サプリメントの選び方について徹底解説してきます。
サプリメントは不足している栄養素を補うためのもの
サプリメントは食事において、足りていない栄養素を補うために摂取するものです。
現代の日本人は、外食やインスタント食品の普及によって偏った食生活になりがちです。
そのため、不足している栄養をサプリメントで摂取することで、健康維持に繋げる目的があります。
レビューや口コミに騙されない
サプリメント業界は不透明なため、裏付けのないサプリでも効果がありそうなイメージを出せば、売れてしまう世界です。
効果があるような雰囲気にするために、曖昧な表現を用いたり隠している場合もあります。
そのために、宣伝の情報だけを鵜吞みにせず、正しい情報のもとで判断する必要があります。
薬との違いや見分け方
サプリメントは栄養を補うための食品であり、病気治療のものではありません。
そのため、飲むことで効果をアピ―ルすることはできますが、症状を治したり予防するといった表現をすることはできません。
薬は医薬品医療機器等法で「医薬品」として、法律で厳格に定められたものになります。
薬の場合は、特定の病気や治療に効果があることを、パッケージにはっきりと記載することが可能です。
ホームページを活用して医学的根拠を見つける
サプリメントは健康食品に分類されるため、定められた研究を行わなくても商品として販売することが可能です。
そのため、インターネットや広告でサプリメントの効果をうたっていますが、その成分が医学的根拠に基づいて、配合されているものなのかを調べることが重要です。
さらには、効果を得るために必要分の配合量を明記しているのか、についても確認する必要があります。
サプリメントは、配合量が微量であってもその成分を配合していると、うたうことができるからです。
そのサプリメントで効果を得られるほどの、配合成分と成分量を満たしているのか、調べておく必要があります。
天然素材で作られているか確認する
サプリメントを選び方は天然素材であるか、確認することが重要です。
サプリメントの原料には天然素材と合成原料がありますが、天然素材の吸収率が高いからです。
天然素材は原料が食べ物と近いことと、天然由来の栄養素と相性の良い栄養素も配合されているため、効率的な働きがあります。
しかし、サプリメントにはしっかりとした臨床データが少なく、副作用が分かっていない場合もあるため、天然素材だからなんでも良いというわけではないため注意して下さい。
天然素材やオーガニックといった表示があっても、成分や効能についてしっかり調べておくことが大切です。
信頼できるメーカーか確認する
サプリメントの選び方として重要なことは、信頼できる製造元と販売会社なのかを確認することです。
それには、会社情報がしっかり開示されているかどうか、必ず確認するようにしましょう。
製造過程が開示されていること
サプリメントの選び方では、製品の製造過程を丁寧に開示しているか確認するようにしましょう。
国内、海外のどこで製造しているか、どの程度の責任を持ったスタッフが、製造に関わっているのかなど、はっきり開示してあるものが好ましいです。
さらに「GMPマーク」がついていることも、一つの安心材料になります。
GMPマークとは、「適正製造規範」に基づいている証明で、原料の仕入れや製造、出荷の全てにおいて安全であると認められたものになります。
適切な配合量であるか
健康に必要な、1日の栄養素の摂取目安があるため、多すぎても少なすぎてもいけません。
そのサプリメントに1日の目的とする、栄養素がどれくらい含まれているか見てください。
そして、効果が出る配合量であるかも確認するようにしましょう。
アフターケアがされているか
化粧品にあるように、サプリメントにもアフターケアは必要です。
使用方法や効果の詳細についてなど、疑問に思うことにしっかり対応してくれるメーカーを選ぶようにしましょう。
フリーダイヤル、お客様相談室がきちんと、設けられていることを確認してください。
多くの人が間違えているサプリメントに対する誤解
サプリメントには良くも悪くも様々な情報が飛び交っていて、誤った認識を持ってしまう場合があります。
次はサプリメントの誤解について、しっかり訂正して説明します。
サプリメントは国が審査・管理している
サプリメントは販売するにあたって、特別な許可や資格は必要ありません。
しかし「健康食品」に分類されるものなので、販売するためには厚生労働省の定めた基準値を満たしている必要があります。
それには「保健機能食品制度」というものがあり、安全性と有効性に関する基準値に達していなければならないのです。
サプリメントに有害なものはない
サプリメントの中には、コストダウンや見た目を良くし、長期保存の目的のために、たくさんの添加物が使われている物もあります。
添加物によっては副作用が生じ、アレルギー反応が起こる可能性もあります。
医薬品と違い、国によって審査されているわけでないため、有効性や安全性が確認されていないものあり、注意が必要です。
サプリメントは万人に効く
年齢や体質、生活習慣によって状況は様々なため、人によって効果の度合いは違ってきます。
また、季節によっても変わるため、万人に効くと保障できるものではないのです。
サプリメントは、不足している栄養素を補うことを目的としているため、病気治療の効果はありません。
サプリメントはたくさん摂取すべき
サプリメントの過剰摂取は、逆に体の不調をきたす原因となります。
さらに体質による副作用も起こすことがあるため、たくさん摂取することは控えましょう。
例えばビタミンの過剰摂取により、めまいや吐き気、頭痛などの症状があらわれることがあるためです。
また複数のサプリメントを常用している場合は、それぞれ同じ成分が入っていると、1日の目安摂取量を超えてしまう可能性があるため注意が必要です。
サプリメントは状況に応じて選ぼう
サプリメントはそれぞれ目的と用途によって、使い分ける必要があります。
自分にとって何が不足しているのかを把握したうえで、正しいサプリメントの選び方を理解していきましょう。
運動する人は「アミノ酸」が含まれているサプリメント
習慣的に運動する人は、アミノ酸が含まれているサプリメントを積極的に摂取していきましょう。
人の体は60%が水、20%がタンパク質、残りは脂質やミネラルなどでできています。
つまり私達の体は、ほとんど水とタンパク質で作られているのです。
また筋肉は主にタンパク質でできていて、このタンパク質には20種類のアミノ酸で構成されています。
運動すると筋肉内にある、アミノ酸が分解されてエネルギー源になるため、筋肉疲労の原因になります。
そのため、運動する前にアミノ酸入りのサプリメントを摂取しておくことで、筋肉疲労を和らげる働きがあります。
野菜が不足している人は「ビタミン」が含まれているサプリメント
野菜にはビタミンを始め、ミネラルや食物繊維など体に大切な栄養素を含んでいます。
野菜の一日の摂取目標値は350gとされていますが、厚生労働省の調査では280gくらしか摂れていないというデータがあります。
日本は急速に食の欧米化が進んでいるため、肉類が中心となり野菜が不足しがちな状態なのです。
そして野菜不足になると、ビタミン欠乏症になる恐れがあります。
そのため、野菜を中心とした食生活の見直しは必要ですが、効率よく栄養素を取り入れる目的として、ビタミンを含むサプリメントを選ぶようにしましょう。
食生活が乱れている人は「ミネラル」が含まれているサプリメント
現代の人達は、食品添加物や加工食品を多くとっている傾向があります。
これら食品には「リン酸塩」が多く含まれています。
リンを摂り過ぎるとカルシウムの吸収を妨げ、ミネラルを体外へ排出してしまう働きがあります。
そしてミネラルが不足すると、骨粗しょう症・貧血・むくみの原因になります。
現代の普通の食生活を送っていると、どうしてもミネラルが不足気味なりがちです。
そのため食生活が乱れている人は、ミネラルが含まれているサプリメントを選ぶようにしましょう。
腸内環境が荒れている人は「有用菌」が含まれているサプリメント
日本は急速な食の欧米化が進んでいるため、肉類など脂質の多いものをとりがちです。
そして食物繊維が不足傾向にあるため、腸内環境が乱れやすくなっています。
脂質が増えて食物繊維が不足すると、善玉菌が減ってしまい悪玉菌が増えてしまうのです。
腸内環境が悪化すると、肥満や肌荒れ、便秘を引き起こす原因になります。
そのため善玉菌のビフィズス菌や乳酸菌が、含まれているサプリメントを選ぶようにしましょう。
さらに食物繊維が配合されたサプリメントも一緒に摂ることで、腸のぜん動運動を活発にして腸内フローラを改善させる働きがあります。
肌荒れやしみで悩んでいる人は「イソフラボン」が含まれているサプリメント
肌荒れやしみは、生活環境によって原因が異なりますが、多くは肌細胞の新陳代謝が悪くなっていることが考えられます。
また紫外線ダメージの蓄積により、肌トラブルを起こしていることもあります。
大豆イソフラボンには「ゲニステイン」という成分を含んでいて、シミの原因となるメラニンの生成を抑える働きがあります。
また大豆イソフラボンには、ホルモンバランスを整える働きもあるため、体調緩和や健康維持でも効果を期待できます。
サプリメントの選び方まとめ
サプリメントは日々の食生活で、不足しがちな栄養素を補うために飲む健康食品です。
そしてご自身の体調を把握して、不足している成分のサプリメントを選ぶ必要があります。
そのためには目的と用途をはっきりさせて、サプリメントの選び方を理解することで、正しい効果を得られるようになります。